可視光応答型二酸化チタン/還元グラフェン酸化物ナノコンポジットによる廃水処理触媒の性能向上
Enhanced Catalytic Activity of TiO2/rGO Nanocomposites with Squaraine Dye for Photocatalytic Wastewater Treatment
有機汚染物質の分解効率を高めるため、二酸化チタン(TiO2)と還元グラフェン酸化物(rGO)を組み合わせたナノコンポジットに、スクアライン色素(SQ)を増感剤として導入したTiO2/rGO/SQ複合材料が、簡便な溶媒熱法により合成された。この複合材料は、可視光を利用して光触媒活性を高めることを目的としている。XPS、FT-IR、SEM、XRD、BET、UV-Vis DRSなどの手法で特性評価が行われた。合成された複合材料を用いて、ローダミンB(RhB)とフルオレセイン(FL)という有機色素水溶液の脱色試験が行われた結果、TiO2/rGO/SQは180分間の可視光照射下で、FLを98%、RhBを86%脱色する高い性能を示した。
- TiO2と還元グラフェン酸化物(rGO)のナノコンポジットにスクアライン色素(SQ)を増感剤として導入したTiO2/rGO/SQ複合材料を、簡便な溶媒熱法で合成。可視光利用による光触媒活性向上を狙う。
- XPS、FT-IR、SEM、XRD、BET、UV-Vis DRSなどの手法で複合材料の特性評価を実施。
- ローダミンB(RhB)とフルオレセイン(FL)の有機色素水溶液の脱色試験で、TiO2/rGO/SQは可視光照射180分でFLを98%、RhBを86%脱色する性能を示した。
TiO2/rGO/SQ という可視光応答型ナノコンポジットは、紫外光しか使えなかった従来のTiO2系光触媒の制約を色素増感で克服する試みで、廃水処理という実需のある領域での性能向上は注目に値する。ただし本記事は実験室レベルの脱色試験結果(FL 98%、RhB 86%)であり、企業の関与や商用化計画、コスト・スケールの言及はなく、現時点で直接の投資対象となる発表ではない。今後、水処理プラントや触媒メーカーへの技術移転・量産化の動きが出てきた場合に、環境浄化向け機能性材料の投資テーマとして再評価したい。