アジアミカンキジラミ管理のための忌避剤と殺虫剤の共送達を基盤とする樹枝状メソポーラスシリカナノ粒子
Dendritic Mesoporous Silica Nanoparticle-Based Co-Delivery of a Repellent and an Insecticide for Management of the Asian Citrus Psyllid
アジアミカンキジラミ(Diaphorina citri)は、柑橘類のカンキツグリーニング病(HLB)を媒介する主要な昆虫である。本研究では、樹枝状メソポーラスシリカナノ粒子(DMSNs、約257 nm)を合成し、イミダクロプリド(Im)とモミの精油(FEO)を共含有するナノ農薬製剤を構築した。DMSNsはIm(21.79%)とFEO(32.98%)の高い負荷容量を示した。DMSNs-Im-FEO製剤中のImとFEOは、遊離状態と比較して持続的な放出プロファイルと残効性を示し、実用化における課題を克服する可能性が示唆された。また、本製剤は柑橘類、レンゲ、ミミズに対して非標的毒性が低いことが確認され、HLBの持続可能な管理戦略として期待される。
- 樹枝状メソポーラスシリカナノ粒子(DMSN、約257nm)を担体とし、イミダクロプリド(21.79%)とモミ精油(32.98%)を高い負荷容量で共含有するナノ農薬製剤を構築した
- DMSN-Im-FEO製剤は遊離状態と比べ持続的な放出プロファイルと残効性を示し、実用上の課題克服の可能性が示唆された
- 本製剤は柑橘類、レンゲ、ミミズに対する非標的毒性が低いことが確認された
- アジアミカンキジラミ(Diaphorina citri)が媒介するカンキツグリーニング病(HLB)の持続可能な管理戦略として期待される
農業×ナノテクの融合による病害虫管理は、バイオ系アグリテックの新たな投資テーマになり得る。本件は樹枝状メソポーラスシリカナノ粒子(DMSN)に殺虫剤イミダクロプリドとモミ精油を共担持させ、徐放性と残効性を高めつつ非標的毒性を抑えた研究で、カンキツグリーニング病(HLB)という柑橘産業の損害が巨大な難防除病害への実用解を狙う点が注目される。ただし現段階は製剤設計と室内評価レベルの学術成果であり、圃場での防除効果、規制承認、量産コスト、既存農薬との価格競争力が未検証。投資判断には、製剤の圃場試験結果、農薬登録の見通し、ライセンス先企業の有無を確認したい。