ソースフリークラスバランス擬似ラベル適応による大規模クロスデイWiFi送信機識別
Source-Free Class-Balanced Pseudo-Label Adaptation for Large-Scale Cross-Day WiFi Transmitter Identification
無線周波数(RF)フィンガープリント分布は収集日によって変動し、伝搬条件やハードウェア状態の変化は送信機識別の性能を低下させる可能性がある。この問題に対処するため、クロスデイWiFi送信機識別向けにソースフリークラスバランス擬似ラベル適応(SF-CBPA)を提案する。SF-CBPAは、ラベルなしのターゲットデイデータセットと事前学習済みのソースモデルのみを必要とする。バッチ正規化統計量を再調整し、ソース分類器を固定し、Sinkhornバランス擬似ラベリングとクラス内信頼度選択を使用する。実験は、140の送信機と1つの固定受信機を持つ公開WiSig-ManyTxサブセットを使用して実施された。SF-CBPAは、精度63.80 ± 0.90%、マクロF1 0.6330 ± 0.0121を達成した。Sinkhornは、ハード擬似ラベルのカウント範囲を1-54から13-35に、クラスカウント標準偏差を11.75から3.42に減少させた。
- クロスデイWiFi送信機識別向けに、ラベルなしターゲットデータと事前学習済みソースモデルのみで適応するソースフリー手法SF-CBPAを提案
- 140送信機・固定受信機1基の公開WiSig-ManyTxサブセットで評価し、精度63.80±0.90%、マクロF1 0.6330±0.0121を達成
- Sinkhornバランス擬似ラベリングによりハード擬似ラベルのクラスカウント範囲を1-54から13-35へ、クラスカウント標準偏差を11.75から3.42へ低減
無線送信機識別(RFフィンガープリンティング)は物理層由来のデバイス認証技術で、無線ネットワークのセキュリティ基盤として注目される領域。本論文は日をまたぐと分布が変動して精度が落ちるという実運用上の課題に対し、ソースデータ不要のドメイン適応で精度63.8%・マクロF1 0.633を達成し、Sinkhornによるクラス偏りの是正(標準偏差11.75→3.42)も示した点が実務的価値。ただし公開データセット上の学術成果に留まり、商用製品化・調達・規制の動きは含まれないため、投資判断にはまだ距離がある。技術の実装段階の進展を追う材料として位置づけたい。