可変速揚水発電ユニット(VSPSU)の発電モードにおける電力・速度ハイブリッド制御戦略と動的性能解析
Power–Speed Hybrid Control Strategy and Dynamic Performance Analysis of Variable Speed Pumped Storage Units in Generating Mode
可変速揚水発電ユニット(VSPSU)は柔軟な有効電力調整能力を持つが、大きな電力変動時には高速な電力追従と効果的な回転子速度調整を同時に達成することが困難である。この課題に対処するため、本稿ではVSPSUの発電モードにおける電力・速度ハイブリッド制御戦略を提案する。統一制御フレームワーク内で、重み係数λを導入し、電磁制御チャネルと油圧機械制御チャネル間の電力および速度制御目標の配分を調整する。λ=0.1~0.9の感度分析を有効電力と回転子速度の動的性能指数に基づいて実施した結果、考慮された運転条件下では、λ=0.5で複合性能指数が最小化されることが示された。有効電力ステップ(0.4 p.u.から0.8 p.u.へ)において、電力優先制御と比較して、提案戦略は電力変動を効果的に抑制し、有効電力のオーバーシュートを29.88%から0.85%に低減し、±5%の整定時間を2.829秒から0.230秒に短縮した。さらに、提案戦略は水慣性時定数Twが±20%変動しても良好な動的適応性を維持する。提案手法は、VSPSUにおける有効電力応答と回転子速度調整の連携のための低複雑性制御ソリューションを提供する。
- 可変速揚水発電ユニット(VSPSU)の発電モード向けに、電磁制御チャネルと油圧機械制御チャネル間で電力・速度目標を配分する重み係数λを導入した電力・速度ハイブリッド制御戦略を提案。
- 0.4 p.u.→0.8 p.u.の有効電力ステップで、電力優先制御に対し有効電力オーバーシュートを29.88%から0.85%へ低減、±5%整定時間を2.829秒から0.230秒へ短縮。
- λ=0.1~0.9の感度分析で、対象運転条件ではλ=0.5が複合性能指数を最小化。水慣性時定数Twが±20%変動しても動的適応性を維持。
- 低複雑性の制御ソリューションとして、VSPSUの有効電力応答と回転子速度調整の連携を実現する統一制御フレームワークを提示。
可変速揚水発電(VSPSU)の制御応答を大幅に改善する学術提案。有効電力オーバーシュートを29.88%→0.85%、整定時間を2.829秒→0.230秒に短縮し、水慣性時定数±20%変動にも頑健という数値は、再エネ大量導入で需給調整力・周波数調整の価値が高まる揚水発電の系統サービス性能を底上げする。制御は低複雑性で既存VSPSUへの実装余地があり、蓄電・蓄エネ資産の運用価値や調整力市場での収益性を左右しうる点に注目。ただし論文段階であり、実機検証や商用化の有無が投資判断の分岐点。