MCL-YOLO: 橋梁ひび割れ検出のためのマルチモジュール協調型軽量物体検出手法
MCL-YOLO: A Multi-Module Collaborative Lightweight Object Detection Method for Bridge Crack Detection
本研究では、橋梁の構造健全性低下の早期指標となる表面ひび割れの検出において、既存モデルの課題である微細ひび割れの認識、正確なバウンディングボックスの局在化、軽量化の不足を解決するため、YOLOv12をベースとしたマルチモジュール協調型軽量モデル(MCL-YOLO)を提案する。具体的には、YOLOv9のADownモジュールを組み込み計算量を削減し、受容野アテンション機構を統合したC3k2-RFAConvモジュールで細長いひび割れパターンの表現力を強化し、高解像度検出分岐の前にiEMAモジュールを埋め込み、弱テクスチャひび割れに対する意味的応答を強化する。4029枚の画像からなる橋梁ひび割れデータセットで評価した結果、MCL-YOLOは精度0.891、再現率0.757、mAP@50 0.844、mAP@50:95 0.675を達成し、計算量は5.5 GFLOPs、パラメータ数は2.240 M、モデルファイルサイズは4.689 Mであった。YOLOv12nベースラインと比較して、検出指標を向上させつつ、GFLOPsとパラメータ数をそれぞれ12.70%、12.77%削減した。
- YOLOv12をベースにADown・C3k2-RFAConv・iEMAを統合した軽量モデルMCL-YOLOを提案し、橋梁ひび割れ検出を対象とした
- 4029枚の橋梁ひび割れデータセットで精度0.891、再現率0.757、mAP@50 0.844、mAP@50:95 0.675を達成
- 計算量5.5 GFLOPs・パラメータ2.240M・モデルサイズ4.689Mで、YOLOv12nベースライン比GFLOPs 12.70%減、パラメータ12.77%減
YOLOv12をベースにADown・C3k2-RFAConv・iEMAを組み合わせた軽量物体検出モデルの学術提案で、インフラ点検AIの精度と計算コストを同時に改善する方向性を示す。GFLOPsとパラメータを約12.7%削減しつつmAP@50 0.844を達成しており、橋梁・社会インフラの自動点検ソリューションにAIを組み込む企業にとって、軽量モデル化の進展はエッジ展開やコスト低減の観点で参考になる。ただし現時点では論文段階の成果であり、商用製品・企業の意思決定には直結しない点に留意。