玄武岩繊維テキスタイル補強エンジニアードセメント系複合材料のオフアクシス引張下における機械的挙動と構成モデル
Mechanical Behavior and Constitutive Model of Basalt-Fiber Textile-Reinforced Engineered Cementitious Composite Under Off-Axis Tension
本研究は、玄武岩繊維テキスタイル補強エンジニアードセメント系複合材料(BTR-ECC)のオフアクシス引張下における機械的応答と破壊メカニズムを、0°、15°、30°、45°の引張角度で実験的および理論的に検証した。結果として、引張応力-ひずみ曲線は線形弾性、ひずみ硬化、破壊の三線形特性を示し、微小亀裂は30~50μmに限定されることがわかった。破壊モードはテキスタイル破断、界面剥離・引き抜き、PVA繊維の架橋が主であった。引張強度は、無補強ECCと比較して、0°、15°、30°、45°でそれぞれ84.8%、73.6%、52.9%、54.0%高く、玄武岩繊維テキスタイルとマトリックス間の効果的な相乗的荷重伝達が確認された。ひずみエネルギー密度は全方向で比較的安定しており、エネルギー散逸能力の高さを示した。また、接線係数アプローチに基づく現象論的構成モデルを構築し、実験データとの良好な一致を示した。
- 玄武岩繊維テキスタイル補強ECC(BTR-ECC)のオフアクシス引張特性を0°・15°・30°・45°で実験・理論検証。引張強度は無補強ECC比で+84.8%/+73.6%/+52.9%/+54.0%と全角度で向上し、テキスタイルとマトリックス間の荷重伝達が有効と確認された。
- 応力-ひずみ曲線が線形弾性・ひずみ硬化・破壊の三線形特性を示し、ひずみエネルギー密度が全方向で安定。エネルギー散逸能力の高い材料であることが実験的に示された。
- 破壊モードはテキスタイル破断、界面剥離・引き抜き、PVA繊維の架橋が主であり、接線係数アプローチによる現象論的構成モデルが実験データと良好に一致した。
玄武岩繊維テキスタイル補強ECC(BTR-ECC)という新素材の学術的研究。0〜45°のオフアクシス引張で無補強ECC比+52.9〜84.8%の強度向上と、全方向で安定したひずみエネルギー密度を示した点は、建設・インフラ向け繊維補強セメントの設計自由度を示す。ただし現段階は実験室レベルの構成モデル検証であり、企業の商用化・量産計画・調達の発表はなく、短期的な投資触媒には乏しい。玄武岩繊維は低コスト・高耐熱で供給制約が小さい点が長期的な差別化要因になり得るため、建設材料メーカーや繊維サプライヤーの商用化動向を継続モニタリングしたい。