AIを活用した網膜画像による早期動脈硬化性心血管疾患リスク層別化:ハイブリッドケアモデルにおけるSAFER研究の予備的結果
AI-powered retinal imaging for early ASCVD risk stratification in a hybrid care model: preliminary findings from SAFER
本研究は、AIによる網膜画像解析(Reti-CVDスコア)が、ハイブリッドケアモデルにおいて動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)のリスク層別化に有効か、またその結果が米国心臓協会(AHA)のPREVENT方程式と比較してどうかを評価した。40歳以上の成人1,461名を対象に、網膜写真をDr. Noon AIプラットフォームで解析し、Reti-CVDリスクを分類した。Reti-CVDリスクは、年齢、男性、糖尿病、高血圧、HbA1c、血圧、HDLコレステロール、トリグリセリド、AI予測血管年齢と有意に関連していた(いずれもp < 0.001)。調整後、年齢、女性、喫煙が現時点での独立した予測因子であった。Reti-CVDスコアはPREVENTのリスク閾値に対して中程度の識別能(AUC 0.689–0.757)を示し、PREVENTとのカテゴリ一致度は軽度から妥当(κ = 0.144; 加重κ = 0.241)であった。PREVENTで低リスクと分類された患者の49.1%が、Reti-CVDでは中程度または高リスクと分類された。AIによる網膜画像はハイブリッド環境で実施可能であり、臨床的に妥当な心血管代謝リスク勾配と関連していたが、PREVENTとのカテゴリ一致度は限定的であった。今後のASCVDイベントに対する前向き検証が必要である。
- AI網膜画像解析(Reti-CVDスコア)のSAFER研究で、40歳以上の成人1,461名を対象にハイブリッドケアモデルでのリスク層別化を評価し、臨床的に妥当な心血管代謝リスク勾配との関連を確認(p<0.001)
- Dr. Noon AIプラットフォームを用いた網膜写真解析によるリスク層別化が、AHAのPREVENT方程式とのカテゴリ一致度は限定的(κ=0.144、加重κ=0.241)で、PREVENT低リスク群の49.1%がReti-CVDでは中・高リスクに分類された
AIによる網膜画像解析が心血管疾患リスク層別化という臨床領域で実用評価されている点は注目に値する。SAFER研究はハイブリッドケアモデルでの実装可能性と臨床的妥当性を示しており、AI医療診断の事業化・臨床導入の進展を示す成果といえる。ただしPREVENTとの一致度が限定的であり、前向き検証が未完了であることから、製品としての確立には依然課題が残る。