多年生牧草中間小麦草における複数集団の半同胞ファミリーのゲノム予測と遺伝的利益の評価
Assessment of genomic prediction and genetic gain in multi‑population half-sib families in the perennial grass crop intermediate wheatgrass
ミネソタ大学は2011年から、中間小麦草(IWG)の多年生牧草化を進めている。本研究では、3年間、2地点(ランバートンとセントポール、ミネソタ州)で評価された、列植されたIWG半同胞ファミリーの収量と農業形質のゲノム予測モデルを評価し、遺伝的利益を推定した。最も強い形質相関は、2023年セントポールでの草丈と2022年セントポールでの種子サイズの間で負の値(r = -0.49)であった。セントポールでは3つの環境で植物の草丈と種子サイズが類似していたが、ランバートンでも同様であった。しかし、穀物収量に関して特定の傾向は観察されなかった。 univariateおよびmultivariateゲノム予測モデルの評価により、multivariateモデルは最良のunivariateモデルを23パーセントポイント上回ったが、単一のmultivariateモデルがすべての形質を予測する最良のモデルではなかった。環境間予測はセントポール環境間では最良であったが、単一の環境が残りの環境を予測する最良の環境ではなかった。遺伝的利益の推定値は、育種サイクルあたり穀物収量が20 kg ha -1増加し、植物の草丈が3 cm減少することを示した。単一のモデルがすべての形質を高精度で予測したわけではないが、本研究の結果は、列プロットでIWGの半同胞を評価し、ゲノム形質予測を行うことで、望ましい形質に対する望ましい育種進歩につながる可能性を示唆している。
- ミネソタ大学が中間小麦草(IWG)の多年生牧草化に向け、半同胞ファミリーの収量と農業形質のゲノム予測モデルを3年間・2地点で評価した。
- multivariateゲノム予測モデルは最良のunivariateモデルを23パーセントポイント上回った。
- 遺伝的利益の推定値は、育種サイクルあたり穀物収量が20 kg/ha増加、植物の草丈が3 cm減少すると示された。
中間小麦草(IWG)のゲノム予測育種に関する学術研究であり、穀物収量と農業形質のゲノム予測モデルを評価した点はバイオ・ゲノム育種領域の進展として注目される。ただし、実用化や企業活動につながる具体的な事業成果は限定的で、投資判断への直結性は中程度。多年生穀物としての産業化に時間軸を置く研究段階の成果である点を踏まえる必要がある。