車両搭載型ビジョンセンシングによる大規模路面モニタリング:取得ジオメトリに関する複数年のフィールドスタディと、ポットホールマッピングのための異種検出・分類パイプライン
Vehicle-Mounted Vision Sensing for Large-Scale Road Surface Monitoring: A Multi-Year Field Study of Acquisition Geometry and a Heterogeneous Detection–Classification Pipeline for Pothole Mapping
車両搭載型ビジョンセンシングは、パトロール車両のカメラで道路網の地上画像を収集し、低コストでスケーラブルな大規模路面モニタリングとポットホール検出のアプローチを提供する。しかし、その実用性は検出器の精度だけでなく、フィールドでの取得条件とパイプラインアーキテクチャという、あまり報告されていない2つの要因に依存する。本研究では、車両ベースのポットホールモニタリングシステムに関する複数年のフィールドスタディを発表する。まず、制御されたフィールド比較により、取得ジオメトリとデバイスの熱挙動が検出収量にどのように影響するかを示す。3種類の車両で、アクティブ冷却されたフロントガラスマウントは41.7~58.3%の収量を達成したのに対し、バックミラーベースラインでは0~4.2%であった。次に、均質な2段階検出器カスケードにおける共通バイアス制限を特定し、2番目のYou Only Look Once (YOLO)検出器が最初のステージの誤検出を排除するのではなく再現することを発見した。さらに、パイプラインを異種検出・分類カスケードとして再設計した。エッジ展開されたYOLOv12-large検出器が候補領域を提案し、サーバーサイドのEfficientNet-B2分類器が各候補を検証する。フィールドデータでは、これにより検出平均適合率 (mAP) が32.7%から69.5%に向上し、誤検出率が99.96%から32.26%に低下し、手動検査の作業負荷を約70%削減した。検出器アーキテクチャの最適化が主であった従来の作業とは異なり、本研究は、取得ジオメトリと異種検証が、運用展開下での実際のセンシング性能を支配することを示している。
- アクティブ冷却されたフロントガラスマウントは3種類の車両で41.7〜58.3%の検出収量を達成し、バックミラーベースライン(0〜4.2%)を大幅に上回った
- 異種検出・分類カスケードの再設計により、検出mAPが32.7%から69.5%に向上、誤検出率が99.96%から32.26%に低下した
本稿は産学連携または研究機関による車両搭載型路面モニタリング技術のフィールドスタディであり、ポットホール検出における実運用上の性能改善(検出mAP 32.7%→69.5%、誤検出率99.96%→32.26%)という具体的な成果を示している。道路インフラ管理の自動化という観点から、モビリティ分野のセンシング技術として投資判断の参考になる。ただし、商業化や企業の具体的動き、市場規模に関する言及はなく、学術研究レベルの成果報告に留まる点に注意が必要。