移動ロボットの軌道追従におけるモデル予測制御のための運動学モデルと識別MIMOモデルの比較分析
Comparative Analysis of Kinematic and Identified MIMO Models in Model Predictive Control for Mobile Robot Trajectory Tracking
移動ロボットの軌道追従は、特に外乱やモデリングの不確かさがある場合に課題となる。モデル予測制御(MPC)は、制約を考慮しつつ将来の制御アクションを最適化できるため有効な解決策となっている。本研究では、運動学MPCと実験的に識別された状態空間モデルに基づくMIMO-MPCの2つのMPC実装を、同じ4輪差動駆動移動ロボット上でROS 2を用いて比較実験した。両コントローラーは、予測ホライズン、重み行列、制約、参照軌道、外乱シーケンスを同一にして、モデル選択の影響を直接比較できるようにした。性能は、名目上および外部摂動下の軌道追従精度、外乱回復、制御滑らかさの指標で評価された。名目上の条件下では、運動学MPCは横方向RMSEが0.1031m(MIMO-MPCは0.1187m)と低く、軌道の93.23%が±0.20mの許容誤差帯内に収まった。しかし、外部摂動下では、MIMO-MPCは方位角RMSEを0.7617ラジアンから0.6503ラジアンに低減し、回復時間を最大35.6%短縮し、角速度レートRMSとジャークRMSをそれぞれ約24.7%と24.8%低下させた。これらの結果は、予測モデルの選択がMPCの過渡応答に大きな影響を与えることを示しており、運動学モデルは名目上の性能に優れる一方、識別されたMIMOモデルは外乱下でより速い回復と滑らかな制御を提供する。
- 4輪差動駆動移動ロボットにおいて、運動学MPCと識別MIMO-MPCの2つのモデル予測制御手法をROS 2上で比較実験し、外乱下ではMIMO-MPCが方位角RMSEを0.7617→0.6503ラジアンに改善、回復時間を最大35.6%短縮することを実証した。
本記事は移動ロボットの軌道追従制御におけるMPC手法の比較研究であり、モデル選択が制御性能に与える影響を定量的に示している。投資家視点では、産業用・サービス用移動ロボットの自律性向上に直結する技術的知見であり、ロボット制御ソフトウェアの開発企業やROS 2エコシステム関連企業の技術競争力を評価する上で参考になる。ただし、特定企業の業績や製品発表に直結するものではなく、学術的な比較分析の段階にある点には留意が必要。