物理情報ニューラルネットワークを用いたPEMWEの電流ステップベース高速電気化学パラメータ同定
Current-Step-Based Fast Electrochemical Parameter Identification for PEMWE Using a Physics-Informed Neural Network
プロトン交換膜水電解(PEMWE)において、従来の分極曲線フィッティング、電気化学インピーダンス分光法(EIS)、サイクリックボルタンメトリー(CV)、電流遮断法(CI)などの電気化学的パラメータ同定手法は、高電流ダイナミック動作下での迅速な診断に限界があった。本研究では、単純な電流ステップ(CS)法と物理情報ニューラルネットワーク(PINN)を組み合わせたCS-PINN手法を提案する。この手法は、サンプリングノイズによる微分計算の数値的不安定性を解消し、物理的整合性を保証しながら信号を平滑化する。提案手法は、過電圧分解で2%未満、オーム抵抗で5.3%未満、ターフェル勾配で2.8%(5 A/cm2時)のエラーで、高精度なパラメータ同定を実現する。CS-PINN法は、PEMWEにおける迅速な電気化学パラメータ同定のための、高速、高精度、かつ装置に優しいルートを提供する。
- PEMWEの電気化学パラメータ同定において、電流ステップ法と物理情報ニューラルネットワーク(PINN)を組み合わせたCS-PINN手法が提案され、過電圧分解で2%未満、オーム抵抗で5.3%未満のエラーで高精度な同定を実現した
PEM水電解はグリーン水素製造の主要技術であり、その運転診断・パラメータ同定の高速化は水素事業の運用効率向上に直結する。CS-PINNによる迅速な電気化学パラメータ同定は、PEMWEシステムのリアルタイム診断・劣化モニタリングの実用化を前進させる技術で、水素関連スタートアップや計測機器メーカーの競争力に影響し得る点に注目したい。