FHEによる暗号化された大規模言語モデルの実現に向けて
Towards Encrypted Large Language Models with FHE
Zama社は、ユーザーのプライバシーとモデルの知的財産(IP)の両方を保護するため、完全準同型暗号(FHE)を活用した大規模言語モデル(LLM)のソリューションを発表した。このアプローチでは、Hugging FaceのTransformersライブラリとConcrete-Pythonを利用し、GPT-2モデルの一部(具体的にはマルチヘッドアテンション層)を暗号化されたデータ上で実行可能にする。モデルの重みと活性化関数を整数に量子化し、Programmable Bootstrapping(PBS)を用いて非線形関数を実装する。実験によると、4ビット量子化で元のモデルの精度を96%維持できることが示された。この技術により、LLMはクラウド上で実行されつつ、ユーザーのプライバシーは保護される。将来的には、ハードウェアの進化により、FHE計算のレイテンシが大幅に改善されると期待されている。
- ZamaがFHEを用いたGPT-2モデルのマルチヘッドアテンション層の暗号化推論を実現するソリューションを発表
FHE(完全準同型暗号)はこれまで計算コストが高く実用化が難しかったが、ZamaがGPT-2のマルチヘッドアテンション層をFHE上で動作させ、4ビット量子化で96%の精度を維持した点は、プライバシー保護LLM推論の実用化に向けた重要なマイルストーン。特に、ユーザーのプライバシーとモデルIPの両方を保護できる点は、医療・金融・法務など機密データを扱う領域でのLLM導入を後押しする可能性がある。FHEのレイテンシ課題は依然として残るものの、ハードウェア進化による改善が見込まれており、Zamaの技術進展は暗号技術スタートアップへの投資テーマとして注目に値する。