グローバル・ゲートウェイ・グリーン海運回廊における合成海運燃料の生産コスト推定
Estimation of Production Costs of Synthetic Maritime Fuels Along the Global Gateway Green Shipping Corridors
グローバル・ゲートウェイ・グリーン海運回廊構想の一環として、アフリカ、ラテンアメリカ、アジアにおける海運輸送の再生可能・低炭素燃料への移行を促進するため、生産コストが競争力を持つ可能性のある分野を調査する。世界250カ所の潜在的な生産コストの初期スクリーニング指標として、水素および誘導合成燃料の生産コストで場所をランク付けする手法を提案する。この手法はPyPSAソフトウェアパッケージを使用し、再生可能エネルギー容量と技術コストを明示的に考慮して、推定均等化燃料コスト(LCOX)の点で場所をベンチマークするための共通基盤を設定する。250カ所の結果は、水素で212~404.6 EUR/MWh、アンモニアで258.3~414.3 EUR/MWh、メタノールで308~478.4 EUR/MWh、メタンで298~466 EUR/MWhの範囲となった。最適なシステム設計は太陽光発電容量を過剰に構築する傾向があり、システムで最も高価なコンポーネントである電解槽の利用率を高める。これにより、電力生産が抑制される必要がある場合でも、生産コストは低下する。
- グローバル・ゲートウェイ・グリーン海運回廊構想の一環として、世界250カ所の合成海運燃料生産コストを推定する研究結果が発表された
本稿は、グローバル・ゲートウェイ・グリーン海運回廊構想における合成海運燃料(水素、アンモニア、メタノール、メタン)の生産コストを250カ所で試算し、太陽光発電の過剰導入による電解槽稼働率向上がコスト低減に寄与することを示した研究である。投資家視点では、船舶燃料の脱炭素化に向けたグリーン水素派生燃料のコスト競争力が具体的な数値ベースで提示されており、当該領域のサプライチェーン構築や電解槽メーカー、再生可能エネルギー発電事業者の有望性を評価する上で有用なデータを提供している。特に、地域間のコスト差(水素で最大約2倍)は、グローバルな海運燃料供給拠点の立地選定や投資判断の優先順位付けに直結する知見である。