英国AIセキュリティ研究所と米国AI標準イノベーションセンターによるKimi K3のサイバー能力の予備評価
UK AISI / Caisi Preliminary Assessment of Kimi K3's Cyber Capabilities
英国AIセキュリティ研究所(UK AISI)と米国AI標準イノベーションセンター(CAISI)は、Moonshot AIの最新モデル「Kimi K3」(2026年7月16日リリース、7月27日オープンウェイトリリース予定)のサイバー能力に関する共同評価を実施した。ExploitBenchベンチマークでは、Kimi K3はオープンウェイトモデルであるGLM-5.2(2026年6月時点)を上回る32%のスコアを達成したが、任意コード実行(ACE)の達成率は0/41であった。一方、最先端の米国モデルは平均20/41のACE達成率を示した。「The Last Ones」サイバーレンジ評価では、Kimi K3は32ステップ中平均17ステップまで到達し、最先端の米国モデル(平均28.5ステップ)やGLM-5.2(平均11ステップ)と比較して、限定的ながらも小規模で脆弱な企業システムを自律的に攻撃する能力を示した。ただし、Kimi K3は10回の試行中1回のみサイバーレンジを完了し、これは他のクローズドウェイトモデルの成功率(6/10または7/10)を下回る結果であった。
- Moonshot AIの最新モデル「Kimi K3」に対し、英国AIセキュリティ研究所(UK AISI)と米国AI標準イノベーションセンター(CAISI)がサイバー能力の共同評価を実施した
- Kimi K3はExploitBenchで32%のスコアを達成し、オープンウェイトモデルのGLM-5.2を上回ったが、任意コード実行(ACE)の達成率は0/41で、最先端米国モデルの平均20/41を大きく下回った
- サイバーレンジ評価ではKimi K3が32ステップ中平均17ステップまで到達し、小規模で脆弱な企業システムを自律的に攻撃する能力を示したが、完了率は10回中1回と低かった
Kimi K3はオープンウェイトモデルながらサイバー攻撃能力を有している可能性を示しており、AIセキュリティのリスク評価と規制の観点から重要。特に、中国発のオープンウェイトモデルが米国モデルに及ばないものの自律攻撃の萌芽を見せたことは、AIガバナンスやモデル評価の国際協力(英米共同評価)の流れを加速させる材料となる。投資家としては、大手AI企業のセキュリティ対策コスト増や、モデル評価サービス・AIセーフティ市場の成長可能性に注目すべき。