AMD Instinct MI455X: CDNA5アーキテクチャ採用、ラック規模AI展開向け新GPU
AMD's Instinct MI455X: Aiming for the Sun
AMDは新CDNA5アーキテクチャを採用したAI向けGPU「Instinct MI455X」を発表した。これは旧MI355Xの後継で、ラック規模AI展開に最適化されている。MI455Xは、TSMCのCoWoS-Lパッケージング技術を使用し、コンピュートユニットとSoCに大幅な改良が加えられている。主な特徴として、コンピュート性能の向上、メモリ帯域幅の拡大、メモリ容量の増加が挙げられる。新しいHeliosラックソリューションと組み合わせることで、従来の8GPUから72GPUまでスケールアップが可能になる。ネットワークアーキテクチャはUALink over Ethernet (UAEoL) をベースとし、単一ホップでの全対全通信を実現する。MI455Xは、8つのアクセラレータコンプレックスダイ(XCD)に256のワークグループプロセッサ(WGP)を搭載し、最大2.4GHzのクロックで動作する。ピークコンピュート性能は、FP32およびFP16で315 TFLOP、OCP MXFP4で40.26 PFLOPに達する。メモリは12スタックのHBM4で、合計432GBの容量と23.3 TB/secの帯域幅を持つ。CDNA5では、WGPの設計が変更され、Wave32 SIMD32ユニットが採用された。これにより、1WGPあたり毎サイクル最大256のパックFP32演算(FMA使用時は512 FLOPS)が可能になった。レジスタファイルも拡張され、1ウェーブフロントあたり最大1,024 VGPRにアクセスできるようになった。また、行列演算ユニットも強化され、1WGPあたり毎サイクル最大65,536の行列演算が可能になった。L1データキャッシュとLDSは倍増し、LDS帯域幅も向上した。MI455Xは、192MBのグローバルL2キャッシュを搭載し、最大54 TB/sのL2帯域幅を提供する。CPUとの接続には、PCIeに代わり16レーンのAMD Infinity Fabricが採用され、256GB/sの双方向帯域幅を提供する。Heliosラックは、1.2m x 1.3mの筐体に72基のGPUを搭載可能で、最大2.9 EF (MXFP4) または22.6 PF (FP32) の性能を発揮する。スケールアウトには、Pensando NICを搭載したボードが利用可能で、最大43 TB/sの帯域幅を提供する。MI455Xは、従来のGCNアーキテクチャからRDNAシリーズベースのアーキテクチャへと移行したことを示しており、AMDのデータセンターアクセラレータにおける新時代の幕開けとなる。
- AMDがCDNA5アーキテクチャ採用のAI向けGPU「Instinct MI455X」を発表
- MI455XはTSMCのCoWoS-Lパッケージング技術を採用
- Heliosラックにより従来の8GPUから72GPUへスケールアップ可能
- HBM4メモリを12スタック搭載し、合計432GB容量と23.3 TB/sec帯域幅を実現
- ピークコンピュート性能はFP32/FP16で315 TFLOP、MXFP4で40.26 PFLOP
AMDがCDNA5アーキテクチャに基づくInstinct MI455Xを発表した点は、NVIDIA一強のAIアクセラレータ市場において競争構造を変える可能性がある。特にTSMCのCoWoS-LパッケージングやHBM4採用による性能向上、Heliosラックによる72GPUスケールアップはデータセンター事業者にとって選択肢の拡大を意味し、AIインフラ投資の分散化を後押しする。UALink over Ethernetによるネットワークアーキテクチャも業界標準化の動きとして注目に値する。