混合整数二次計画法を用いた高電圧配電網の有効電力損失の最適化
Optimization of Active Power Losses for High-Voltage Distribution Grids Using Mixed-Integer Quadratic Programming
エネルギー移行に伴う高電圧配電網(HVDG)の負荷増加とそれに伴う有効電力損失の増大に対処するため、ドイツの110kVグリッドに典型的なメッシュ構造における超過送電網からの電力潮流による損失増加も考慮した、感度ベースの混合整数二次計画法(MIQP)アプローチが提案された。この手法は、区分的線形化交流(AC)定式化により、高い精度を維持しながらほぼリアルタイムの計算時間を達成する。静止同期補償器(STATCOM)の損失と変圧器リアクタンスの変動も明示的にモデル化されている。分散型エネルギー資源(DER)およびSTATCOMによる無効電力供給、ならびに電力変圧器(PT)および位相シフト変圧器(PST)の離散タップ位置が制御変数として考慮される。実在のドイツのHVDGの時別スナップショットを用いて検証した結果、有効電力損失の大幅な削減と、ほぼリアルタイム用途に適した計算時間が実証された。
- ドイツの実在110kV高電圧配電網を対象に、有効電力損失の最適化手法が提案された
- 感度ベースの混合整数二次計画法(MIQP)により、ほぼリアルタイムの計算時間で高精度な損失削減を達成した
- DERおよびSTATCOMによる無効電力供給、変圧器タップ制御を含む統合的最適化が実証された
本論文は、ドイツの実在110kV高電圧配電網を対象に、有効電力損失の最適化を混合整数二次計画法(MIQP)で実現した点が注目に値する。エネルギー移行に伴い配電網の負荷増加が不可避な中、ほぼリアルタイムの計算時間で損失を大幅削減できる手法は、系統運用コストの低減と再生可能エネルギー統合の効率化に直結する。特に、DERやSTATCOMによる無効電力制御や変圧器タップ制御を統合的に扱う実用的アプローチは、欧州のみならず日本を含む電力事業者にとって運用最適化のベンチマークとなり得る。