深部感受性光学センサーによる非侵襲的なヒト筋活動測定
Depth-Sensitive Optical Sensing for Non-Invasive Measurement of Human Muscle Activity
従来の筋活動測定技術は表層の筋活動しか捉えられず、深部筋の情報が不足していた。この課題を解決するため、近赤外光を用いた深部感受性光学センサーが開発された。このセンサーは、12mmから48mmまでの6つの光源・検出器間距離(SDD)を持つコンパクトなウェアラブルモジュールで構成される。モンテカルロシミュレーションとファントム実験により、SDDごとに異なる感度プロファイルを持つ深部感受性が実証された。さらに、前腕に装着して9種類のハンド・リスト運動を測定した結果、線形判別分析(LDA)を用いた機械学習モデルは、6つのSDDチャンネルすべてを使用した際に10名の被験者平均で87.5%の分類精度を達成した。複数のSDDチャンネルを含めることで分類性能が系統的に向上することが示され、異なる深さからの測定値が運動識別のための補完的な情報を提供することが明らかになった。この技術は、ウェアラブルなヒューマンマシンインターフェース応用への可能性を示唆している。
- 深部感受性光学センサーが開発され、12mm〜48mmの6つの光源・検出器間距離(SDD)を持つコンパクトウェアラブルモジュールが実現した
- 前腕装着時の9種類のハンド・リスト運動の分類で、LDA機械学習モデルが10名平均87.5%の分類精度を達成した
- 複数のSDDチャンネルを含めることで分類性能が系統的に向上し、異なる深さからの測定値が補完的情報を提供することが示された
本技術は、非侵襲で深部筋活動をリアルタイム計測できる新しい光学センサーであり、ウェアラブルHMIへの応用が期待される。従来は表層筋のみ計測可能だったが、6つの光源・検出器間距離(SDD)により深さ方向の感度プロファイルを調整できる点が差別化要素。前腕での9種類の動作識別で87.5%の精度を達成しており、筋電図(EMG)に代わる新たな生体インターフェース技術として注目に値する。バイオ分野の新しい計測モダリティとして、今後のデバイス小型化・実用化の進展が投資判断のポイントとなる。